タクシーやってた頃のお客の生態

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エピソード的に面白いのは何と言っても夜です。

僕が勤務していたのは東京から2時間ほどの地方都市です。

 

東京とか横浜とかの都市部から外れた地方都市ですが、埼玉、千葉、神奈川などがその範囲に当たります。

そこから東京の会社に通う人がメチャクチャ多いのです

 

通勤ラッシュルートです。

当然、帰りもラッシュです。

飲んで終電に乗って来て、そのまま目的地を乗り過ごして遠くまで来ちゃう人が多いのです。

この乗り過ごし客こそタクシーの最大のお得意様と言えます。

神奈川の端から横浜までとかは、ざらにあります。

 

大体1万円くらいの料金です。

たまに東京までとか、千葉までといった超ロングもあります。

この場合3万~5万の収入です。

これがほぼ毎晩あるのです。

 

当たりはずれと乗務員の仲間内ではよく話題に上りますが

2年も実務経験があれば道にも詳しくなりますし、慣れれば結構稼げるのがタクシーなのです。

勤務時間は都内と違い24時間ではありませんが、18時間勤務とかになります。

翌日は明け休みです。

公休が月6日で、明けと合わせれば、出金は月に16日ほどしかありません。

 

普通に勤務すれば月収30~35万は稼げるわけです。

乗ってすぐに寝てしまうお客様が多いです。

最初に行先の住所を聞いてナビに打ち込んでしまえば、寝ていてくれた方が楽です。

喋りっぱなしのお客もたまにいますが、ほぼ相槌打つだけです。

カップルで乗って来ていちゃいちゃしてるのとか、喧嘩始めるのもいます。

しつこく絡んでくる酔客もいます。

乗り過ごして余計なお金を払う事に腹立っているので結構タチが悪いです。

警察を呼んだケースも何回かありました。

さすがにタクシー強盗に会ったことはありませんでしたが。

 

今はやっていませんが、仕事としては面白いと思っています。

ところが、コロナの影響で最も被害を受けている業種の一つになっているのです。

通勤客の減少、乗り過ごしもほとんどなく、休みの日の観光客も激減だと言います。

このままでは、生活できなくなる乗務員がどんどん出てきます。

 

コロナの終息で客足は戻っているとも言われますが、感染のリスクが高い業務でもあり、これからの時代、自動運転が実用化さえればさらにドライバーは減るでしょう。

これから残る仕事、新しく生まれる仕事、消えていく仕事。

時代の転換期に私たちは差し掛かっています。

 

 

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